奥三河の木と左官塗り壁と和紙クロスで作る家 H様邸木工事

豊橋市大岩町
外部の大工工事がひと段落して内装工事に入りました。間仕切りの下地を組むとお次は床張りです。キレイな床でしょ。ヒノキの節なし材を張ってます。属に言う白木(しらき)の床。でも正確には無地と上小節の混じりグレードで無地上小(むじじょうこ)です。木材や建築業界では節が全く無いグレードを無節=むぶしorムジと呼びます。節の無い材料はレアなのでとても高いです。一枚の板のどこかに小指の爪程度の節が一つ程度のものを上小節=じょうこぶしと呼び、少し価格が下がります。この二種類の混じりグレードですから広い面積に張るとほとんど節は目に付きません。国産材の床としては最高グレードです。私が材木屋の小僧だったバブル直前の時代、長さ4mの12センチ幅の無節だと一坪4万円位したかな・・・。産地によっても当時は金額が違いました。尾州(びしゅう=木曽)材は別格で、吉野材(奈良県)、東農(岐阜)と産地のランクがありました。節だけでなく色つや、木目の細やかさなどがやっぱり違うんですよね。奥三河のヒノキもソコソコですが木柄は東濃がやっぱりよかったです。その代わり三河の杉は吉野、秋田の次ぎ位に良かった。ま、東三河の杉は江戸時代に吉野から種を持ってきたらしいのでルーツは同じなんでしょうね。
豊橋市大岩町 H様邸 内部工事

こちらは天井の化粧梁。杉です。化粧で見せるので紙を巻いて養生してあります。完成までこのままなので明日の見学会ではまだ見られませんが太さは分かります。結構、太い(背がある)。見せることも考えて少し背を大きくしてます。天井は梁の間に作ります。

豊橋市大岩町
さて、こちらは玄関。玄関はご主人の「家の外にも、木の家を感じさせる部分が欲しいな~」とのリクエストにお答えして杉板を張りました。普通、壁を縦張りにすると天井は粗隠しがしやすいので横に張るのですが、今回は土濃塚大工さんに頑張ってもらって同じ方向で張った。板は工業製品では無いので巾は一枚ずつコンマ何ミリかは異なります。調子に乗って片っ端から張っていくと板のラインが揃わなくなる。で、今回は調整が利くように目透かし板で微調整しながら張ってもらいました。現場を見たらわかりますが、土間から天井までラインがきれいに揃ってます。「それがどうした・・・。壁は壁だろ。」と言われると、つらいですがせっかくの注文住宅、おまけに本物の木の家ですから遊びたいわけ。(お施主様と言うより私が遊びたいのかも。ライン揃えましょうとご提案したのは私です・・・。土濃塚さん、面倒掛けました。スマン。)板は杉の赤身、その昔は船の材料ですから丈夫ですし、縦張りにしたので水が掛かってもジョイントに沿って下に素早く流れ去るので、なお安心です。板は縦張りの方が長持ちしますからね。
豊橋市大岩町
その板の下はこんな様子です。銀色のシートを張った壁です。このギンギンはアルミを蒸着してあるから。水は通さないけど湿気は透過させ、なおかつアルミが熱を反射するので家を熱くしない(夏の省エネ)に役立つ優れものです。その上に、外壁取り付け用にヒノキの胴縁を張ってあります。 ヒノキ材はシロアリや腐れの心配が少ないので、長期優良住宅仕様でも薬剤処理不要。虫に効く薬剤も大量に使えば人間にも効いちゃう恐れがありシックハウスの原因の一つです。そんなわけで出来るだけ薬剤を使わずに家づくりをしてます。臭いに敏感過ぎて一般住宅の見学会や住宅展示場の中に入れない方(そういう化学物質過敏の方も結構いらっしやるんですよ。)もハミングの建物だけはOKなケースが良くありますが、こういった些細な積み重ねの結果だと思っています。