あれから1年・・・

背割り

何が一年か・・・。

設楽の山に生えていたヒノキを伐採して、輪切りにしたのが昨年の3月5日。
K様の家の柱や土台にするために、見立てた立木を100本ほど伐採しました。

せっかくだからと、Kご家族と見学に行ったとき森林組合の方が記念にと、チェーンソーで輪切にしてくれた。中心から一本切れ目が入っているのは、背割りと言って中心から均一に木の水分を蒸発させ、ひび割れを防ぐ工夫です。

最初からV字にカットしたわけでは無い。
中心部分の幅が、チェーンソーの刃の幅。水分が蒸発してこれだけ縮みました。切ってすぐは水浸しと言ってよいくらいずぶぬれでした。そのくらいた直径30㎝厚さ5㎝程度の輪切りですが、ものすごい量の水分を含んでます。

だから木は縮む。とにかく、しっかり乾燥させないと完成した家は隙間だらけに・・・。木は使うまでには、様々な手間暇が掛かり、そこに大工の技術が加わり初めて木の家が完成します。大工の腕がどんなに良くても、木そのものの素性や乾燥具合、角材、板材にするときの製材の具合が悪いとどうしようもない。
一流シェフでも、傷んだ野菜で極上のサラダは作れないのと同じ(笑)

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元々は、こうなってたんです。設楽の山の木に限らず、日本全国、いいえ世界中伐採風景はこんな感じです。




腰壁

そうして今は、柱や土台だけでなく丸太の外側のキレイな部分まで使い切り、腰壁にもなりました。



k様の感想

先日、K様が半年お住まいになっての感想をお寄せ下さった。調子よくお住まい頂けてます。こういう感想を頂くと、うれしですがまずはホッとします(笑)

だって、何もないところからこれだけの大きなものを作るプロジェクトです。それもプロではない、普通の方のリクエストを頂き、打ち合わせて形にするのですから、思い違い、行き違い、勘違い無く出来上がるか、それが一番気に掛かってます。一生懸命作るだけに、お住まいになってからお客様に「あれ、こんなつもりじゃ無かったけど・・・」と言われた日には、ご飯ものどを通りません(苦笑)

今回は設計にあわせて丸太の本数を数え、と言っても数えるには一本の丸太から柱が何本、土台が何本取れるとこまで計算して、全体の本数を割り出し、木材組合、森林組合に応援してもらって見合った丸太が欲しいだけ伐採できる場所を選び、工期にあわせ製材して無駄なく材料を使い切るよう板材も作り、それを建物の内装仕上げ、デザインを考えてほぼ使い分け、まあ何とかロスも出さずに納まりました。

いつもの家づくり、プラスアルファがとってもエキサイティングな家づくりでした。K様ご夫妻にご満足いただけたおかげで、今日も無事にご飯が喉を通ってくれる。(デブにならぬよう気をつけねば・・・。)

K様、奥様、お父様、Rちゃん、S君、ありがとうございます。