上棟の準備

上棟柱

来週上棟のKさんご家族の家の上棟材の一部(1/3程度)です。比較するものが無いので大きさが分かりにくいかもしれませんが、幅約4mの材料を積み重ねています。先週、加工が終わり市内の材木屋さんで保管中。搬送中に多少雨が降っても大丈夫なよう、ビニールで包んであります。もちろん汚れ防止も兼ねています。木材業界も進化して20年前では考えられないくらい保護、養生をするようになりました。

これを眺めて思い出しましたが、今は梱包してフォークリフトやクレーンで移動させますが、私が社会人デビューしたころは人力勝負。大きな市場問屋にいましたが、このくらいの材料は本当に朝飯前に担がされてました。

当時勤めたのは、埼玉県の三河材専門の木材市場問屋。その市場は週に一回市が開かれ、陳列した木材を競りにかけて売る仕組みで、私の勤務先は三河材専門の問屋だった。

奥三河から夜通し走ってきた運転手さんは早く木材を卸して帰りたい一心です。市場内の寮に私が寝起きしてることを知ってますから、私の勤務時間は8時から17時なんてことはお構いなしで、開門(5時)と同時に寮の部屋の扉をガンガンノックする運転手さん(ガンガンがノックと言えるかどうか・・・)。眠い目をこすりながらパジャマのフォークリフトに飛び乗り、柱や土台をトラックから下ろします。ちなみに写真の木材量なら6トン車クラスの分量かな。フォークリフトでの荷下ろしはものの10分、運転者さんは大喜びで朝の国道19号線へと消えていきます。

何台かのトラックの荷物を下ろすと今度は陳列です。一人で木材を縦に起こして壁に立てかけ並べていきます。当時は、木材を立てかけて並べ陳列しました。材木を起こすだけで大変だと思われるかもしれませんが、コツがあって4mの長さの土台や柱ならテコの原理で割合簡単にできます。とは言え重労働です。おかげで頭じゃなくて、体で木の事を覚えられまし今とは違い、いくらご飯を食べても太らなったな~(笑)。懐かしい思い出です。
木材市場

ご存知のように山の木は伐採され、丸太から建築用材に製材、乾燥して家の材料として加工され家の中に組み込まれます。たとえコンクリートのビルでも、内装の下地には木材が必要です。ですから建築と木は深くつながっていて、まして木造住宅を作るとなれば、建築=木と言っても良いぐらいです。

生まれた場所は設楽の森の中、家業は製材、社会人デビューは材木問屋、一旦学生生活に戻りそれからハウスメーカーへ就職して建築の世界へ入り、数十年後に自分で手配した木材を使い自分で設計した木の家を作ってます。結局、生まれてこの方、木から離れられない毎日を過ごしてます(笑)木の手触り、木の香り、木目の美しさ、五感で木を味わえる毎日・・・幸せ者ですね。

さて、ブログはこの辺で終わりにして現場へ行かなきゃ。良い一日をお過ごしください。