奥三河の木と自然素材で作る家 設楽の工場

先日、設楽に行ってきました。雪は降って無かったですが寒かった~。山間ですから風は無いのですが標高が高いので冷えるんですよね。日陰は雪も解けません。気温が低いので積もった雪もサラサラ。今は木の伐採シーズンですので丸太が大量に準備されてます。シーズンではありますが山に雪が積もると伐採作業自体ができないから、これは昨年の未だ雪が積もらない時期に伐採搬出されたものでしょう。全部杉の丸太です。

工場の中も日陰には雪が・・・。手前の板は豊橋市の某小学校の工事に使われるらしい。他にも豊橋市内の幼稚園の工事用に節の無い杉材を準備中でした。相変わらず豊橋市の公共工事用の材料が多いです。もちろんハミングの家のためのヒノキ材も準備してあります。

それがこちら。柱に限らず木材は感想して体積が縮むのを見越して仕上がり寸法より一回り大きく製材します。それから乾燥機に入れ強制的に水分を抜きます。もちろん自然乾燥もしてますが、それだけでは不十分なため人口乾燥させます。これは乾燥機から出して自然乾燥中。機械で蒸気を当てて乾燥させるので内部の樹液成分で色がついてますが仕上げ挽きをするときれいになります。

こちらは乾燥させた材を一度製材したストックしてある節の無い高級グレード材。高級材は和室の柱などに使います。たくさん製材した中で、まれに出る程度の良いものをストックしておきます。そして、注文があった時にもう一度製材して反りや狂いを取り除き加工場に持ち込まれ、そこでまた仕上げのために数ミリ削られ、鉋を掛けて使うので、丸太の段階から住宅に使われるまでに4回挽いたり削ったりするんですよ。乾燥期間もありますので、住宅に使われるまでに長いものだと10年経つものもあります。高級化粧材は柱に限らず寝かしてあるものが多いです。私もハミングの倉庫で製材して30年経つ杉板や、20年は経ってるはずの杉の化粧丸太とか持ってます。 そのくらいたつとちょっとコレクションの感覚が湧いて来て、あまり使いたく無かったりします(笑)。時々、一人で眺めて悦に入ってます。

こちらも杉やヒノキの化粧材です。かなり長いです。特別用途は決まってません。内装材で使えるところに使う材料。たまに倉庫の中をウロついて「そうだ。設計中の建物のあそこに使おう!」と閃くと「これ頂戴」と購入するわけ。これがまた楽しい。欲しいものを注文して購入すると高いんですが、工場ストック品はお値打ちですから、おかげさまでお施主さんに喜んで頂けてます。 木は一本ずつ表情が違いますし、年数と共にきれいに変化していきます。そこが木の家の醍醐味ですね。普段、味わうことの無い世界だから皆さんあまりピンとこないかもしれません。でも、本物の木の内装の家にお住まいの方ならわかって頂けると思います。木を上手に組み合わせる設計をいつもアレコレ考えてるときは本当に楽しくて幸せだな(笑)。

そして製材工場の事務所の暖房器具がこれ。一応薪ストーブ。鋳物のだるまストーブですから本来は石炭用かな?製材ですから燃料の木材には全く困りません。いくらでも有ります。節約なんてせずボンボン豪快に燃やしてますのでとても暖かです。ただし難点は薪をくべる時はやかんを除けてストーブの上部の蓋を開け、そこから薪を投入するのでその時煤が舞うんですよね。書類に煤が付いてヘタにこすると汚れるし、服は香ばしい匂いが染みつくしで、なかなか大変なとこもありますが、レトロで気に入ってます(笑)

設楽町の窓口、清崎(きよさき)地区です。設楽は田舎ですがファミマ位ある。と言っても町内唯一のコンビニだけど。この並びに二年後に、道の駅と設楽町歴史民俗資料館がオープンします。きっと地元材をふんだんに使って作ると思いますので製材は忙しくなるかな。