断熱性能 理論と現場 

断熱材

断熱材の施工は難しいです。

25年ほど前、住宅断熱の専門家の南雄三先生がご自宅(築70年の木造土壁の家)を耐震ボード+張り断熱で高気密高断熱住宅に改装されたのが大きな話題になってました。勉強会で南先生にお会いしてハミングの建物のコンセプトモデルの断熱についてアドバイスを頂いたのを懐かしく思い出します。

それ以来、断熱や気密に関しては気を付けて家づくりをしてきました。建物の空気環境の安全性(簡単に言えばシックハウス対策を徹底した家=新築住宅特有の臭さがしない家)や火災時の安全性(化学系の断熱材だと自己消化性はあっても火が当たってる間は有毒ガスが発生するものも有る)を考えてたどりついたのが写真の断熱材です。
ポロエステル断熱材

このモコモコした感じ、お布団見たいでしょ。ポリエステル綿、簡単に言っちゃえばフリース(みたいなもの)。 繊維自体は湿気を吸わないし繊維と繊維の間の水分はしっかり移動するので、湿気る事は有りません。カビも生えない。 家の外壁側ほど湿気を通す作り方をしますから、断熱材の室内側にビニールを張って湿気が入らない様にする必要もありません。サッシ廻りなどの細かな隙間も詰め込めばOK、施工が簡単確実。

机の上で考えてるだけなら、どんな断熱材を使おうが「室内側はしっかり防湿処理をすること」の一言で終わります。現場は「それをどう確実に工事するのか」が問題で、中には「じゃあ、アンタ考えたんだから手本でやって見せてくれ!」と言いたくなるような話もある(苦笑)。 現場で職人さんと一緒に悩んだり、汗をかいたりして設計するのが手堅いと思います(^‐^) 試行錯誤の末、たどり着いた断熱材です。