K様ご家族の弥生町の家 上棟しました

上棟

4月11日に上棟予定だったK様ご家族の家、残念ながら雨で延期になり2日後の13日に上棟できました。見てください、この抜けるような青空・・・ちょっぴり悔しい(苦笑)。

上棟は高所での作業になので、ただでさえ危険が伴います。雨で部材が濡れもカビが生える、腐るなどの問題はありませんが、作業中に足が滑る、材料が汚れるなどの不都合があります。風が吹けば大工さんがふらつく、レッカーで釣り上げる材料が安定しないので、それも危険です。

上棟日は、お施主様が休みを取って楽しみに備えてくださるので、延期するのは本当に申し訳ないのですが安全第一です。天気が悪ければ延期せざるを得ません。
「明日は天気がすぐれないので、申し訳ありませんが延期させてください。」と、ご連絡するときの心苦しさはやり切れません(涙)。


上棟メンバー

上棟日は一気に骨組みを屋根まで作るので、人手が必要です。それで大工さんは、自分の受け持っている現場を空けて一日応援に集まってくれます。レッカー屋さんも現場の予定にあわせ、毎日作業してます。
責任ある仕事をしてるこれだけの人のスケジュールを調整するのは、なかなか大変ですから、延期するなら延期するで、早く予定を組みなおす必要があります。

それで、心を鬼にして(大げさかな・・・)お施主様に「あのー、すみません。実は明日天気が悪そうなんで上棟を・・・・」とお話しすることになります。
上棟式

それで延期の場合は、予定日に上棟式だけ行います。神様に工事の安全をお祈りする儀式です。儀式ですので日柄を気にされることも多いですが、日柄の良い日に延期するとると1週間、10日は平気で延びてしまいます。延期してまた雨が降って延期となったら、1か月は先になる(苦笑)。

このスピード時代に1月延期は、ローンや、家賃、工期を考えると現実的ではありません。そこで予定の日に現場にテントを張って祭壇を設け、儀式だけは執り行います。梵でん(うちわ状のお飾り)を据え、棟梁(工務店のトップ)が祝詞を奏上して工事の安全祈願をします。そうすれば翌日からは工事期間中という事になりますから、いつどんな工事をしようが良いわけです。神様にちゃんとご挨拶済みですからね(笑)。

この業界では、天気が良ければ「お日柄も良く好天に恵まれおめでとうございます!」、雨が降れば「雨降りは〈振り込む〉と言って縁起が良いんですよ。雨降って地固まると申しますから、まずはおめでとうございます!」と縁起を担ぎます(笑)。

何も無いところから、数か月から1年の期間をかけて【家】と言う大きなものを、数十名の人間が関わって作り上げます。今でこそ機械化が進みましたが、昔は全部人力です。祝詞の中に「~家を造り初むるにかくたやすからぬ事をば~」と言うくだりがありますが、家づくりはそれはそれは大事業だったわけで、事故や手違いなく無事完成してほしいとドキドキだったと思いますよ。
縁起も担ぎたくなるわけです。

かく言う私も、祝詞を上げるときは心の底から、「無事完成しますように、お施主さまご家族がこの家でずっとお幸せに暮らせますように、どうぞ神様、何とか、どうかよろしくお願いいたします。本当にお願いします。」とすがる思いでお祈りして、涙がこぼれそうになります。【ハミング佐々木は結構まじめで、イイ奴なんですよ(笑)】



ダイライト

上棟から二週間、屋根瓦が葺きあがりサッシもついて外壁工事が始まりました。内部の金物も取り付けがおわリ、ゴールデンウイーク明けには造作工事が始まります。お休み前に防水ができるので、一安心です。

さて、ゴールデンウイーク2日目の30日は、このK様の家を公開いたします。完成品の見学もいいのですが、骨組段階もご覧になられると、また違った発見があると思います。良かったら見学にお越しください。お待ちしてます。