木材はもとは植物です

窓枠
木は植物だと言うことは小学生、いや保育園児でも知ってると思います。ところが家づくりのパーツ、住宅用建材としての木となると雲行きが怪しくなる(笑)。

写真の窓枠の下の部分を見ると枠が壁から飛び出してます。これは窓枠を兼ねたちょっとした棚です。無垢材で作ると下の窓枠は巾広の板で作れるので一枚板で作ってあります。板はある程度の幅までは、一枚板でも反りも無く、コストアップも知れている。コストは新建材と言われる、木目ビニールシート張りの枠材よりは元々高いかもしれませんが、ハミングの場合は無垢の枠材が基準なので・・・。

無垢材の良いところは部材を自由に作れる点ですが、そうはいってもなんでもアリではない。写真のようにきれいな板(これは杉)は木の外側の部分(木の芯から遠いところ)です。

ところで柱や板には節がありますが、もともと何か分かりますか?節は枝の跡です。木は成長するにつれ、地面に近い部分の枝を落とします。落ちた部分の上に、また新しい木の層ができ隠れていきます。だからどんな丸太でも、中心にいけば行くほど枝の跡、つまり節が出てきます。そして中心に近い部分はピンクや赤っぽい色をしていて、外側は白いのが特徴です。

枝の無い木は存在しませんから、板や柱に節があるのが当たりまえで、節の無いものはレアです。ビニールシートを張って作るのではないので、色合いや節の有無や木目の柄をアレコレ言われてもね・・・。と言う世界です(笑)でも、住宅の資材としては、お客様や設計者の要求がありますのでお望みの物をどうやって準備するかが大変なんです。木は植物だからね・・・。

丸太

写真の太い丸太は全部杉材ですが、中心が赤いというより、周辺に白い部分があると表現した方が適当かもしれません。これを縦にスライスして板にします。白い板、白いところと赤いところが混じった板、赤い板ができます。そして白い板の方が節が少なく、赤い板は節だらけになるのが普通です。

大量の板材を生産すれば、節の無いもの、あるもの、色の違いも作っていくうちにはそれなりに数量が確保できます。丸太を一本や二本製材しても、望むような色目と節の具合のものは出来ません。

窓枠のきれいな材は、そうやって生産された中の選りすぐりの逸品ともいえます。50~60年かけて育てた木を伐って、大量に製材して、その中からようやく窓枠に使えるものが出てきます。貴重品ですね。大事に作って、大事に使って頂けたらと思います。